やってみようぜDIYで自作アルマイト処理。バイクパーツもロボット製作も!

今回はアルマイト処理にチャレンジです。アルマイト・・・自作パーツを作るものであれば、憧れますよね。削り出しのアルミ・ジュラルミンパーツのシルバーの輝きもなかなかのものですが、ブルーやレッドに輝くアルマイト加工済パーツはまだ格別の趣。

 

あんなパーツ、あなたでもできちゃうんです。しかも特別なノウハウや技術は一切不要。はっきりって、誰でもできます。

 

今回はオーナーが手削りしたパーツにゴールドのアルマイト処理を掛けてほしいとの注文を頂きました。もちろんお手伝いさせて頂きますよ!

 

久しぶりのカラーアルマイト処理にチャレンジしつつ、その作業工程を自作野郎の皆様にご紹介いたします。

 

工程はこんな感じになります。

 

油・汚れ落とし(5分)
準備と結線(10分)
電解処理(30分)と水洗い(1分)
染色処理(30分)と水洗い(1分)
封孔処理(15分)と水洗い(1分)
眺めて楽しむ(好きなだけ)

 

こちらもご覧くださいませ。


DIYアルマイトの工程1:油・汚れ落とし。

 

では工程1から。

 

お預かりした手作りキャリパーポートをしっかりと洗って油抜きします。削り出した直後のパーツであればせいぜい切削油しかついていませんから、パーツクリーナーでしゅーっと洗い流せば十分です。でも、今回のように「使われていた」パーツですとしっかりと脱脂する必要があります。マジックリンと靴用のたわしを使用してごしごしと洗います。

 

この汚れ落としは入念に行いましょう。洗った後もきれいなペーパー(キッチンペーパーがお勧め)で軽くつかむようにして、手でペタペタさわらないように!

 

特別な技術はいらない、と申しましたがひとつひとつの工程を確実に行う必要はあります。


DIYアルマイトの工程2:準備、バッテリーとの結線

 

さあ、対象物の洗浄が完了したら、アルマイト加工の準備をしましょう!

 

必要なもの、これが結構あります・・・。

 

電解液(バッテリー液) × 4l

染料(染めるだけなら玉ねぎの皮でもいいらしい) × 5g

封孔材(酢酸ニッケル) × 5g

電解処理槽 6l程度の容量で密封できるふたがあるもの(保管のため)。

バット。電解処理槽がすっぽり入るもの。

鉛板 5cm×20cm程度

ワニ口クリップ2本

温度計

アルミ針金 20cm

 

このあたりは、自作・DIYアルマイトキットを買えばついてきます。逆にいえば、電解液や酢酸ニッケルを入手できるのであれば、キットを買う必要はないんです。

 

でも、私を含めた一般人にとって、バッテリー液ですらリットル単位で入手することは難しい。キットはこれらの入手手間を省いてくれますし、またそれらキットの多くは消耗品としてバッテリー液などを追加購入することができます。それなりの値段ですが、筆者はキットをお勧めします。

 

車のバッテリー

バッテリー充電器

 

電解処理の電源です。付属しているキットもあります。が、やはり高価です。車のバッテリーは激安店で数千円で手に入りますしバッテリー充電器もそのくらいの値段で買えますね。

 

あとは・・・

 

カセットコンロ × 2

アルミの手鍋 × 1

ホーローの手鍋 × 1

保冷剤 × 1

割りばし、ペーパータオル、マジックリン等の油汚れに強い洗剤、新聞紙・・・

 

と言ったところでしょうか。カセットコンロは奥方を説得してぜひ家計で購入して頂きたい!健闘を祈る!

 

では作業に入ります。必要なスペースはこんな感じです。左下から時計回りに

 

 

電解処理槽

・・・バッテリー液を4l程度入れたポリプロピレンの槽です。鉛板をふちにぴったりと添うように、沈めてあります。ここにバッテリーのマイナス線をつなぎます。

電解液(バッテリー液)は服に着くとその布地をボロボロにしちゃいます。1滴つくと卵くらいの穴が開きます(じわじわ広がるから始末に悪い)。写真のようなバットを敷いて、出来ればエプロンなどをしたほうがよいでしょう。

 

染色セット

・・・染料をお湯(50℃前後)で解いたもの。キャリパーサポートであれば染料は5g、水(水道水で十分です)は500ccくらいでちょうどいいです。

 

封孔セット

・・・封孔材をお湯(50℃前後)で解いたもの。キャリパーサポートであれば水(水道水で十分です、ただしこだわる人はカルキのない水を使います)は1000ccくらいでちょうどいいです。

危険な液体でありませんが、酸っぱいにおいがきついです。コンロ?そんなの買わなくても台所にあるじゃん!てなことをやると、奥方の怒りが爆発します。

 

電源セット

・・・10Vから15Vの直流電圧を30分掛けることができればOKです。ノートPCのアダプタを改造して使っている方もいらっしゃいますし、私のようにバッテリーを使う方も多いです。私は車のバッテリにバッテリー充電器をつなげて使用しています。

 

ここまでそろえばさあ、レッツアルマイト処理!です。

 

 

まずは対象物をアルミ針金と接触させます。

 

DIYアルマイト処理が失敗する場合、この時点でしくじっているが多いです!

 

がっちり、しっかりと接触させましょう。アルミのフックにぶら下げるだけ、ではNGです。この針金そのものもアルマイト処理が掛かります、アルマイト処理被膜は絶縁体ですから対象物とアルミ針金の間に隙間があるとその隙間にもアルマイト処理が掛かってしまい、その後の通電が妨げられてしまうんですね。

 

写真のように割りばしや木の棒を削り、それにアルミ針がねを巻き付け、打ち込むように対象物に固定します。

 

割りばしを掴んで振り回しても外れないくらいでないと、危ういです。

 

また、1度の処理で小物ならば数個纏めて処理できます。でも、慣れるまでは1つずつ処理したほうがいいですね。


DIYアルマイトの工程3:電解処理と水洗い。

 

さあ、いよいよ電解処理です。

 

鉛板に接触しないように(こちらはマイナスですから)、アルミ針がねにつるした対象物を電解液に沈めます。ここでまず行うのは「電解研磨」です。なにそれ?

 

アルミの表面をほんの少し溶かして、最後の洗浄を行います。

 

やり方は簡単、

 

・鉛板にプラス
・アルミ針金にマイナス

 

を結線するだけです。ぐわっ、と泡が発生してガスが発生します。10秒も流せばよいでしょう。表面のごくごく細かい傷はこれで消えるようです。また、スキマに残った(残ってちゃいけないんだけど)汚れも浮いてきます。

発生する気体は、くれぐれも吸い込まないように!

 

10秒たったらワニ口クリップを外し、さあ電解処理です。今度は

 

・鉛板にマイナス
・アルミ針金にプラス

 

を結線します。さっきよりも細かい泡が沸いてきます。処理により温度があがります、温度が上がるとアルマイト処理が解けちゃうそうです。保冷剤を突っ込んで温度を20℃以下に維持します。水をいれて凍らせたペットボトルを使う人もいるみたいですね。

 

私はときどき割りばしをゆすって液体をかくはんします、がまあ30分じっと我慢でほおっておけばいいでしょう。

 

この間に「染色セット」のコンロに火を入れ、染色液を50度まで上げます。カセットコンロは火力が強いので、付けたり消したりの繰り返しになるでしょう・・・沸かしちゃうと染色剤が痛むそうです。

 

さあ、30分経ちました!

 

・バッテリ充電器の電源を切り
・ワニ口クリップをはずし
・対象物を電解液から引き揚げ
・水洗い用バットに突っ込んで電解液を洗い流し
・さらに水を掛けてよく洗浄し(手で触ったらダメ!)

 

そして・・・

 

意外とやること多いんですね。この時点の対象物は封孔処理をしていないでの非常に不安定な状態です。できるだけ空気に触れる時間を減らして素早く対応しましょう。十分なイメージトレーニング必須(笑)


DIYアルマイトの工程4:染色処理と水洗い。

 

染色セットの鍋にどぼん!

 

余り弄繰り回す必要はありません。

 

最初の1分でほとんどの色合いが決まります。私は割りばしでひっくり返したりしていますが必要な作業なのかどうなのか、わかりません。

 

温度計マメに突っ込んで温度をチェック、50℃をキープしましょう。温度が下がったらコンロにとろ火で火をつけ、50℃を超えたらすぐ消火。忙しくはありませんが、付きっきりの作業になります。

 

25分を経過したら、「封孔セット」のコンロに火を入れましょう・・・

 

はい、30分経過しました!またこれから素早く作業しますよ!

 

 

・ついていたらコンロの火をけし
・対象物を染色液から引き揚げ
・水洗い用バットに突っ込んで染色液を洗い流し
・さらに水を掛けてよく洗浄し(手で触ったらダメ!)

 

さっきよりは楽かな?そして!

 

いわゆる「白アルマイト処理」(色なし、腐食防止のみ)の場合はこの「染色セット」工程をまるっきり飛ばします。電解処理後、即封孔処理です。


DIYアルマイトの工程5:封孔処理と水洗い

 

封孔セットの鍋にどぼん!

 

こいつは温度管理不要、ぐらぐらと煮ちゃってOKです。とはいえ無駄に煮ても水分が蒸発するだけですから火加減は適当に。なお、強烈な酢酸臭が漂います、室内での作業は止めておきましょう(家庭内平和のため)。

 

15分を経過したら、作業完了です!

 

もうアルマイト処理の表面は安定しています、ゆっくり作業して大丈夫です(笑。

 

・ついていたらコンロの火をけし
・対象物を封孔液から引き揚げ
・水洗い用バットに突っ込んで封孔液を洗い流します。

 

 

先に書いた通り、もうアルマイト処理の表面は安定しています。

 

手でごしごしこすって構いません、というかこの程度のこすりで色が落ちるようでは失敗です。

 

失敗した場合は、パイプフィニッシュ(排水溝洗浄材)に漬けることで失敗した被膜を取り除いてリトライできるそうです。が、私は失敗したことがない!

 

いかがでしょう、綺麗に染まったかな?


DIYアルマイトの最終工程:眺めて楽しむ(好きなだけ)

 

はい、できあがりました。

 

いかがでしょう、それなりに美しいゴールドに染まりあがりました!もう素手で触っても大丈夫、思いっきり撫でまわしてください。^^

 

結局のところ、作業工程は難しいことはありません。ちょっと忙しいところもありますが、ジョークではなくイメージトレーニングをしておけば大丈夫です。ポイントは

 

染色剤、封孔材、電解液は良いものを使う
必要なものはあらかじめ揃えておく(割りばしなども小物も)
工程を理解して、機能的に道具を配置しておく
その行程中に、次工程の準備をする(火をつける等)

 

くらいでしょうか。

 

なお、

 

・電解工程
・染色工程
・封孔工程

 

は並行して走ることができますから、慣れればベルトコンベアー作業で大量のパーツをアルマイト処理加工することもできます。お小遣いくらいは稼げるかもしれません。

 

前述のとおり、染色剤も封孔材も電解液も、個人でそれぞれ手に入れようと思えば不可能ではないのかもしれません。でも、これも前述の通りですがそれぞれ入手は容易ではない、ショップに行ってほいっと買えるものはないようです。

 

筆者がお勧めするのは、やはり「キットの購入」です。私が今までアルマイト処理で失敗したことがないのも、よいキットに巡り合えたからだと思います。


アルマイト処理キットを選ぼう。

さて、アルマイト処理キットは探すと数種類存在するようです。

 

どれにしましょう?

 

このサイトを見てくださっていて、このページを開くような方は恐らくバッテリーやもしかしたらバッテリーチャージャーは持っているかもしれませんね。また、工作に興味があるわけですから基本的な工具はお持ちと推察します。

 

この場合、入手難なものだけをキットで購入しましょう。ズバリお勧めは「エムシーアクロス」さんの「レッツアルマイト処理」です。

 

安定化電源のような余計な(失礼)ものは入っておらず、逆に「アルミ針金」や「温度計」のような、「ありそうだけど実は自宅にない小物」がバッチリ入っています。

 

またキットとは言いながらそれぞれの消耗品のばら売りにも対応してくれるため、長く使うことができそうです。

 

 

 

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アルマイト処理やりたかったらまずこれを買いましょう!自作野郎にスーパーお勧めっ!


間違いはございません。ゴールド・レッド・ブルー・グリーンの4色入りのスターターキット。

売れてます・・・気合い入った方多いみたいです!


パッションレッド・サンライズオレンジ・ギャラクシーブラック・ターマックブラック・トスカーナパープル・モンローピンク・バケーションブルー・ベアーブラウン・グリングリーン・クレオパトライエロー・・・10色の染料がそろったフルキット。

 

「エムシーアクロス」さんのWebサイトはこちらでーす。

 

http://homepage3.nifty.com/monkeymagic/index1.html

 

「レッツアルマイト処理」のページはこちらです。

 

http://homepage3.nifty.com/monkeymagic/la001.htm

 

はっきり言って、このキットはすごいですよ。

おしまい。

と、いうことでアルマイト処理にチャレンジしてみようぜっ!は終了です。

 

いかがでしょうか?削り出しの次にやりたくなるであろうアルマイト処理、サイズこそ限定されますが(そんなでかい鍋で煮てられないもんね)、小物パーツであれば十分に使用に耐える品質に仕上がります。ぜひ、チャレンジしてみてください。

 

それではまた!自作、野郎ぜっ!

 

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