旋盤で軸を削ったら、その軸には組み合わせるべきパーツがあるんですが。
ちょっと画像が悪く本当に申し訳ないのですが・・・。
これはご依頼品で作成しております、コーヒーミルの刃です。
相手がコーヒー豆ではありますが流石刃物、炭素鋼でできておりがっちり焼きが入っております(もしくはコーヒー豆ってめちゃくちゃ硬いってことですかね)。
そして、中心には6.05mm程度の軸穴が開いていますが・・・
ねじ山も切られておらず、中はつるっつるの単なる穴。
そして軸が回転して刃物も回転する構造ですから、なんとかこの「つるっつるの単なる穴」を使用して軸と刃物を固定しないといけません。
どーしましょう?
相手に焼きが入っていなけば、M7のねじを切るところですが・・・刃物ですから焼きなましもしたくないですし。
ちょっと小細工をしましょう。
まず、可能な限り正確に、隙間なくはまる軸を削り出します。
これはあなたの腕次第。できれば0.02~0.03前後の公差で軸を削り出しましょう。
まあ、難しいことは言わず削っては差し込み、削っては差し込みを繰り返してギリギリ嵌る程度の太さに正確に削ればよいです。
もちろん、ダイヤルゲージをセットして精密加工を行いましょう。
軸が完成したら、精密やすり、またはフライスを使用して軸に画像のような切欠きを削りこみます。
深さは2.00mmより気持ち(0.02mm程度)深めに。長さは13㎜程度。
ここはできるだけ正確に加工したいところですが、仮に削りすぎても逃げ道がありますからご安心を。
逃げ道大好きです。
切欠きにぴったりはまるシャフトを用意します。
その切欠きにぴたりとハマるシャフトを用意します。
画像に見えているシャフト、これはなんでしょう?正確な寸法と強度が要求されるんですが・・・
入手性を考慮して私が選んだのはコレ!
あっはっは、ミニ四駆用のパーツでした!
これ、ちょうどいいんですよ。
切欠きにシャフト(ミニ四駆用)をはめ込みます。
では、先ほど切欠いた箇所にシャフト(ミニ四駆用パーツ)をセットします。
当然このミニ四駆用シャフトに合わせて切欠いたわけですから、ぴたりとハマります。
そうしたらコーヒーミルの刃物を手に取って・・・はめ込みます。
うまく加工ができてれば、するするとはまります。
え、これでどうしてロックできるのか、って?
差し込んだ刃物をちょっとひねると。
びしっとロックされます!
少し刃物をひねると、隙間に入ったミニ四駆シャフトが回転しながら少しだけ動きます。
切欠いた隙間は半月状ですから、回転したミニ四駆用シャフトは隙間に詰まって結果、軸と刃物がロックされる、というわけです!
よくできてる!(私が考えたわけではもちろんありませんw)
ちなみにこの構造は旋盤等で使用する回転刃物の固定にも使用されることもあるそうで、その機構とロック強度はかなり強固であることが想像されます。
いかがでしょう?
応用性の高い構造ですので、ぜひマスターして各所で使用してみてください。
切欠きが深すぎて空回りしちゃう場合。
万が一、切欠きが深すぎた場合。
切欠きが深すぎると隙間が大きすぎ、中でミニ四駆用シャフトが回転してしまい上手くロックされない場合があります。
そんな場合はあわてず騒がず、お手持ちの紙やすり(800番程度)を切欠きの大きさに切り、ミニ四駆シャフトとの隙間に詰め込むという手があります。
これで大きすぎるクリアランスを詰めることができますし、また紙やすりの摩擦がいい感じにミニ四駆シャフトを抑え込んでくれます。