材料。
これがメインの素材のS50C、いわゆる「鉄」です。
いわゆる鉄ですが炭素鋼と呼ばれる種類であり、生鉄のSS400と比較すると異常に硬いです。焼きを入れることもできます。この硬い鉄の12mm角棒、画像でお見せするほどのものじゃあございませんが。
ドナー。
んでもってこれが・・・
ホームセンターで売っているベアリングプーラーです、2,480円でした。この頑丈な「プーラー機構」を流用します。
切断。
まずS50C棒を好みの長さに切り出します。
ありがちな話として「正確な長さに切断・加工できない」という問題があります。それに対する有効な対策として「正確でなくても困らない設計にする」という考え方があります。
???と思われるかもしれませんが、これはとても大切な考え方です。常に切り出した結果がずれていても、そのずれを未切削箇所へ、未切削箇所へと逃がして行くのです。今回の場合、最終的にその逃げが集まる箇所は「ボルト穴」になります。つまり、ボルト穴だけを真剣に、ずれないように加工すればあとはそれなりでよいということになるのです。わかりにくいかな?とりあえず切ります。最近義父さんに買ってもらった(感謝です)チップソーをつかって・・・
室内で!
とりゃああーーーー!
断言しよう、室内でやる作業ではない!!(でも切断砥石よりはまし♪)
フライス加工(手作業)。
さ、気を取り直して・・・
切り出したS50C角棒をX-1で加工します。超硬エンドミルであれば問題なく切削できます。もちろん大型機のようにざくざくとは行けませんがそれはそれ「道具は使いよう」でございます。
これは下側のベアリングを引っ掛ける部分。下から上(ボルト穴)へと切削を行うことで加工誤差を「逃がしつつ」作業を進めます。
同じようにボルト穴の台座も加工。
これで加工は完了。簡単ですね!
組み立て。
加工後はこの通り、組み立てです。
とりあえず細目の鉄やすりで仕上げてあります。これに、ばらしたベアリングプーラーを組み込むのですね。ここがベアリングを引っ掛ける溝。
組み立て!
こちらがプーラー部との接合箇所です。
完成です。
組み立てるとこの通り。
あっさり完成です。見たことありますか?
試してみましょう。
このように、バイクから外したステムに自作したステムベアリングプーラーを装着します。
あとは万力で固定、プーラーボルトをぎりぎりと・・・
まあまあ、かな?
ベアリングは破損しましたが(どうせ再使用はしないので問題なし)無事に抜き取ることができました!
めでたしめでたし!