バンドソーとは。
バンドソー。
あまり見慣れない機械です。通常のノコは「直線状の刃を往復させて切る」か、「円盤状の刃を回転させて切る」のいずれかの構造です。対してバンドソーは「ぐるりと一周した平たい刃が、ぐるぐる回りながら切る」という特徴的な構造となっています。
帯鋸、と呼ばれるその刃はある程度の柔らかさを持っています。刃の材質、種類により木材、非鉄金属、鉄といった様々な材料を切ることができます。刃が流れる速度が比較的遅いため、高速カッターやチップソー(円盤状の刃を回転させて切る)と比較して火花が散ることもなく音もそれなりに静かであり、設置場所さえキープできればぜひ手元においておきたい機械です。
なにしろ我々が削ろうとしているジュラルミンや鉄は硬い!20mm丸棒や10mm板材なんて弓ノコ+手では到底切断しきれません。プライベーターは時間が限られています、限られた時間を有効に使うためにこの「バンドソー」、ぜひ手に入れましょう。
今回ご紹介するのは「BS-10K」。木工用ですが、刃を入れ替えることで非鉄金属ならば切断可能です。もしモーターをインバーター化してさらに回転を落とせるのであれば、鉄も切断できると思います。
全景。
正面図です。ナリは大きめですが隣のボール盤と比較するとこの程度です。
フトコロの深さは200mm以上、通常のバイク用パーツの切り出しには不自由ありません。
これならガレージでなくても設置できそうでしょ?ええ、私は相変わらず部屋にコイツを入れています。
横から。
側面図です。
600wを誇るモーターがどどーんと張り出しています。
見ての通りかなり薄型ですのでしっかりと固定しないと危険です。お子さんがいらっしゃる方は何らかの防御が必要でしょう。
旋盤もフライス盤も、もちろんボール盤も取り扱いを間違えるととても危険ですが、このバンドソーはそれらを超える危険性をはらんでいるような気がしてなりません。ちょっと怖いことを書けば、こいつは大人の手首くらいばっさり切り落とすことなど造作もない性能を持っています。ちょっとよそ見して指を引っ掛けたらハイそれまで。 決して大げさではありません、くれぐれもご注意を。
私の部屋が常時施錠扱いとなっています。
安全装置。
一応スイッチには安全ソケットがあり、これを外しておけばコンセントをつないでスイッチをONにしても、動かないような仕掛けとなっています。
非常停止装置はありません。
足。
足がついており、ボルト止め用の穴が開いています。
適当なワッシャをかませ作業卓に固定しています。
テーブル。
テーブル部分はアルミ合金製です。マイターゲージ(というらしい、切断サポート用具?)が付属しています。
これで直線切りが思いのまま、と思いきやバンドソーにはドリフトと呼ばれる現象がありまして、まっすぐ切っているつもりでもどんどん曲がって切れてしまうのです。
ということで、板モノの直線切りにはマイターゲージはほとんど使用しません、むしろ太い丸棒など持ちにくいものの切断に使用します。
フトコロ広いです。
最大180mmのものが切れるような余裕がありますが、まさかそんな大物は金属加工ではありえないでしょう。
切断する対象の厚みに合わせてアッパーガイドを調整します。怪我防止のためにも面倒がらず調整しましょう。ガイドにはベアリングと樹脂製のスライダーがついておりこれで刃が踊らないように抑えている・・・みたいです。バンドソーも実は?奥が深く、その辺りのことは専門の人に任せましょう。このバンドソーを取り上げているサイトも多くあり、この辺りに手を加えている方もまた多い模様です。
しかし、我々プライベートバイクパーツビルダー(おお!)にとってはこのままでじゅうぶん使用に耐えるものです。
刃。
ただし、刃だけば別売で入手したほうがよいでしょう。私が入手したのがコレです。
いや、そもそも付属の刃は木工用です。強引に使用したところ、2017Sは楽勝で切断可能(ただし騒音大)でしたが、ただの鉄パイプを切ったところ刃が負けました。
1,840mmサイズのものであれば適合しますのでネットで情報をあさり、ステンレスも切断可能な金属用の刃を購入しました。ええ、素晴らしい切れ味です。でも5本セット・・・一生使えそうです、はい。
こんな感じです。
ご参考になりましたでしょうか?
とにかく、見た目のチープさはともかくアルミ合金をガンガン切ることができ、ドイトで29,800円で買えてしまうこの商品!ここまでコストパフォーマンスのよい製品はなかなかお目にかかりません。
注:価格は私が購入した当時のものです。価格や仕様が変更になっている可能性がありますのでご注意下さい。また、本機は「木材加工用」として販売されているものを使用者本人の自己責任で金属切断用として使用しているものです。どんなことが起こるかわかりませんし、仮になにがあったも発売元・製造元に対し責任を負わせることはできません。もちろん私も責任は取れません。どうか慎重な作業をお願いいたします。