趣味の3Dプリンタ(熱溶解方式)の選び方
例によって、筆者があれだけ趣味の3Dプリンタ 覚えておきたい基礎知識で3DCAD使えないとダメよ!と脅したにもかかわらず(笑)、このページを開くということは
覚悟を決めた
ということでよろしいですね?!よろしい。ならば購入だ。
このページではいわゆる「熱溶解方式」の3Dプリンタのみを解説の対象にしてます。私自身が光造形方式の3Dプリンタに詳しくないことと、実用品を作るならやっぱり「熱融解方式一択!」という偏った認識を持っているからです(!)。
恐らく遠からぬ日に私も光造形に手を出すと思いますが、その日が来たらまた新しいページを起こします。光造形でプラモデル用のオリジナルパーツ、作りたいんですよねえ・・・
ここで対象とする3Dプリンタは
- 熱融解方式
- 10万円以内で購入できるもの
- Amazon等で手軽に購入できるもの
とターゲットとし、あくまでも趣味の3Dプリンタ、をテーマとしております。
アマチュアが選べる3Dプリンタ(熱融解方式)
我々が選択しうる現実的な3Dプリンタは、以下の3種類のレンジに分けられます。
- 格安3Dプリンタ(1万円前後)
- 標準3Dプリンタ(3万円前後)
- 高級3Dプリンタ(5万円以上)
例によって名称は正式なものはありません、筆者がかなりてきとーに付けた名称です。大切なことは「自分が3Dプリンタを欲しいと思った目的」「自分に課せられた条件」を熟考して、種類を選ぶということ。
それぞれのレンジの特徴を説明・・・する前に、3Dプリンタ選択のポイントをざっとおさらいしておきます。
では、具体的に見ていきましょう。
3Dプリンタ選択のポイント
あくまでも個人が趣味の範疇として使用する場合、3Dプリンタ選択のポイントは以下の3つです。
一部はフライス盤や旋盤の解説で説明したことと重複します。なんといっても3Dプリンタも工作機械ですからね!
- 必要十分な印刷範囲を持っている、ある程度の大きさを持っていること
- 複数のフィラメントが使用できること
- 便利機能を搭載していること
フライス盤も旋盤も同じですが、最初はどうしても小さい機械に目を奪われます。それは以下の理由ですよね。
- 大きいものを買っても置く場所に困る
- 大きいものは買っても使いこなせるか自信がない
- 小さいものは相応に安い
しかし、「大は小を兼ねる」のがこの世の常。小さいマシンは当然ながらその印刷範囲は狭く、その場合大きな立体物の印刷は物理的に不可能。
「そんなに大きいもの作るつもりはないし~」
と思っていても、3Dプリンタを楽しむうちにその可能性に気づき、いつか大きいものを作りたくなるものです。3Dプリンタは「標準3Dプリンタ」レベルでも今や3万円切りが当たり前、ここは十分なサイズのものを購入しておくべきです。
フィラメントとは、最終的に作成する立体物の素材となる樹脂の線です。こんなものです。
フィラメントには複数の種類があり、
- もっとも一般的なPLA(比較的印刷は容易だが硬いため切削・研磨等の後加工が大変、耐油性に難あり)
- ABS(強度、接着性に優れているが印刷が比較的難しい)
- ポリカーボネート(とにかく強度に優れいている)
など、その素材によって特性がことなります。従って作成する立体物の使い方によってはいろいろなフィラメントを印刷できるほうが、できることが広がります。
ただし3Dプリンタの種類によってはPLAしか印刷できないものもあります。これはヒートベッドの有無や温度コントロール等の可変パラメータの有無によりますから、PLA専用の3DプリンタをチョイスしてしまったらABSでの印刷は不可能、となります。
便利機能。なくても3Dプリントは可能だけど、あるととても助かる、特に初心者は本当に助かる機能群です。私が「必須」と考える便利機能を説明しますね。
タッチスクリーンパネル
一部の3Dプリンタには、数個のボタンと数個のランプしか装備されておらず、これで印刷やフィラメントのセット・取り外し、レベリングといった操作しなければなりません。これ、ストレスが溜まります。
ほとんどの3Dプリンタにはたいてい小さいながらもタッチスクリーンパネルがついています。対話式(たいてい日本語化されています)でメニューを選択するだけで3Dプリンタに必要な操作を行うことができます。
自動レベリング機能
ほとんど調整作業が不要な(CNCフライス盤に比べたら天国のように容易)3Dプリンタにおいて存在する数少ない調整事項の一つが「印刷面(ベッド)の水平出し(レベリング)です。
3Dプリンタのベッドは四隅に取り付けられた調整ダイヤル(ねじ式、ねじをねじ込むことでベッドの四隅の高さを変えられる)でプリンタノズルとのクリアランスを紙一枚の隙間(0.1mm前後)に合わせます。
特に難しい作業ではないのですが、それでも毎回手動レベリングをするのはめんどうで根気のいる作業です。この自動レベリング機能あれば、タッチパネルを操作して待つだけで自動的にレベリングが実施されます。
この機能については別項目で詳細説明します。自動レベリングが万能というわけではないのです。
フィラメント切れ検出機能
大きい立体物をプリントしていると、プリント途中でフィラメントがなくなってしまうことがあります。
フィラメント切れ検出機能のない3Dプリンタは、フィラメントがなくなってもヘッドは樹脂を押し出さない状態で印刷の「空振り」を続けてしまいます。こうなるとプリント動作は完了してしまいますから途中からやり直しもできず、その中途半端な立体物はゴミ、お釈迦になります。
この機能はフィラメントがなくなったらその時点で印刷を中断してくれます。印刷は中断していますがフィラメントの入れ替えができますから、中断された個所からプリントを再開できます。そのタイミングで少しプリントがゆがむこともありますがほとんど目立ちません。
大きいものをプリントする際に残り僅かなフィラメントのリールを使うこともできますし、夜間印刷しっぱなしで寝ちゃう、といったこともできます。
停電印刷継続機能
フィラメント切れ検出機能に近い機能です。停電や誤ってコンセントを抜いてしまった、などの電源ダウン時に当然3Dプリンタは動作を止めます。その時に停止ポイントを3Dプリンタが記憶しており、電源投入後に停止ポイントから印刷を再開できるという機能です。
停電印刷継続機能がなければその印刷途中の立体物はただのゴミとなってしまうわけです。
ヒートベッド
ベッドとは立体物を印刷するベースです。このベッドを温める機能がついています。もちろん温度調整も可能です。
フィラメントはいろいろな種類がありますが、素材によってベッドにくっつきやすい・くっつきにくいといった特性が異なります。ベッドにフィラメントの最下層がしっかり密着しないと、プリンタは失敗します。ヒートベッド機能でベッドを温め、かつその温度を変更することでフィラメントの密着具合を調整することができます。いろいろな素材のフィラメントを使用したければ必要な機能です。
さあ、少々長くなりましたが3Dプリンタ選択のポイントについてご理解頂けましたでしょうか。
それでは、具体的に各レンジの3Dプリンタを解説します。
格安3Dプリンタ(1万円前後)
最も安価で誰でも一度は購入を考える3Dプリンタは、これでしょう。
YoutubeやAmazonで見かけて気になっている方も多いはず。なんといっても1万円という安さ!それでいて3Dプリンタとしてはきちんと機能します。
これを「格安3Dプリンタ」と呼ぶことにしましょう。特徴は
なんといってもその安さ
でございます。おおむねスペックはこんな感じです。
本体サイズ(縦×横×高) | 20cm × 20cm × 25cm 程度 |
---|---|
本体重量 | 2kg 程度 |
印刷可能サイズ(縦×横×高) | 10cm × 10cm × 10cm 程度 |
ヘッド数 | 1 |
使用可能フィラメント | PLAのみ |
ノズルサイズ | 0.4mm |
タッチスクリーンパネル | ×(なし) |
自動レベリング機能 | ×(なし) |
フィラメント切れ検出機能 | ×(なし) |
停電印刷継続機能 | ×(なし) |
ヒートベッド | ×(なし) |
PLA以外のフィラメント使用 | ×(PLAのみ) |
まずはメリットから。
メリット
- とにかく安い
- 3Dプリンタとしてはしっかり動く
そもそもここ数年で3Dプリンタの価格そのものが下がっていることもありますが、それでも3軸分のステッピングモータと制御基板、(めちゃめちゃシンプルですが)入出力装置も備えていて1万円というのは「工作機械」としては破格。
かなり作りがプラスチッキーといいますが、正直おもちゃ・・・感満載なのですが、3Dプリンタはフライス盤のように機械剛性はほとんど要求されません。上下左右に移動するヘッド部もしょせんは熱融解させた樹脂を扱うだけなのでそこにかかるフリクションはせいぜい細いフィラメントの弾性だけです。
ですから、このシンプルな構造でもそれほど精度に問題なく3Dプリントが楽しめる、というわけです。
また印刷データの授受もGコードファイルをマイクロSDカードで受け渡すものであり、これは上位機種と全く違いはありません。
CNCフライス盤やCNC旋盤など、今まで自作系の趣味に興味はあったけどまだ手を出していない、自分がそれを楽しめるのか不安・・・という方には選択肢の一つとしてはよいのかな、とは思います。
デメリット
- 印刷範囲が小さすぎて小物しか作れない
- フィラメントがPLAしか使えない
- 便利機能が全くついてない
安くて立派に動くなら問題ないじゃんねー、となりそうですがそうではありません(私このレンジの3Dプリンタには否定的です)。
それは、
廉価品が初心者向けとは限らない
ということ。
まず第一に印刷範囲が狭く、10cm程度のものしか作れません。
10cmもあれば十分では?と思われるかもしれませんが、恐らくあなたは3Dプリンタを使用するうちにその広い可能性に気づくはずです。あれ、あんなものも作れちゃうんじゃないだろうか、ここに欲しかったこんなパーツが作れるんじゃないか?と。
その時に10cmの印刷サイズではその可能性は大きく制限されます。また、使用できるフィラメントもPLAだけであり、これも同じように3Dプリンタの可能性を制限するものです。
作りたいものがあるのに道具が小さくて作れない、これはとっても不幸なこと。
そして最大の欠点は3Dプリンタの必須機能が全くない。
例えていうなら、格安で売ってる二槽式の洗濯機のようなものです。立派に洗濯はできるんだけど手間はかかるしタイマーもお知らせブザーも洗剤量の指示も柔らかモードもなにもついてない。
- タッチスクリーンパネル
- 自動レベリング機能
は初心者にこそ必要な機能ですし、
- フィラメント切れ検出機能
- 停電印刷継続機能
がなければ印刷失敗のチャンスが著しく増えます(失敗による残骸(お釈迦)の量産はやる気をそぎます)。そして
- ヒートベッド
がなければABSフィラメント等の使用ができません。
ということは?
そう、このレンジの3Dプリンタは「初心者向け」とは言えないんです。
これを使いこなすにはそれなりのノウハウと腕と準備が必要となります。付属してくるサンプルGコードを印刷して、できたできた!と喜ぶくらいであればいいのですが、自分でFusion360を使って立体設計を行い、それを印刷する場合には設定できるパラメータが少なすぎ、そして機械は小さすぎ、インフォメーションがなさすぎます。
印刷前にはコピー用紙を使用してレベリングを手動で行い、これがずれていると失敗。印刷中にフィラメントを使い切ると失敗。停電が起きてもブレーカーが落ちても失敗。
3Dプリンタとは何か?を学べる製品と言えますが、先を考えるとかえって遠回りのように思えます。少々辛口ですが、これが自作野郎としての偽りのない印象です。
お勧め?の製品
このレンジでは該当製品そのものが少なく、構造や形状で選択することができません。
Youtubeで「EasyThreed X1」で検索すればたくさんの紹介動画を見つけることができます。そして、そのほとんどの動画がサンプル印刷だけで終わっています・・・
標準3Dプリンタ(3万円前後)
とりあえず買って安心、使って安心なのがこのレンジ、標準3Dプリンタ(3万円前後)。
このレンジの3Dプリンタは競争が激しく、Amazonでも多くの製品を見つけることができます。機能的にも必要十分で「便利機能」も余すところなく搭載されている場合がほとんどです。ただし機能が十分に搭載されていてかつ価格競争が厳しいということはどの製品もコスト的にギリギリの構成としてくるため、製品ごとの個性があまりなく似通った製品しかありません。
逆に言えば、それほど悩まずに購入できるともいえます。
特徴は
必要十分な機能と相応に安価な価格
といったところでしょうか。洗濯機に例えると、一通りの機能を搭載した全自動一槽式洗濯機。一人暮らしでも家族暮らしでもぜいたくを言わなければ使えますって感じ。
おおむねスペックはこんな感じです。
本体サイズ(縦×横×高) | 40cm × 30cm × 40cm 程度 |
---|---|
本体重量 | 7kg 程度 |
印刷可能サイズ(縦×横×高) | 22cm × 22cm × 25cm 程度 |
ヘッド数 | 1 |
使用可能フィラメント | PLA、ABS等 |
ノズルサイズ | 0.4mm |
タッチスクリーンパネル | 〇(あり) |
自動レベリング機能 | 〇(あり) |
フィラメント切れ検出機能 | 〇(あり) |
停電印刷継続機能 | 〇(あり) |
ヒートベッド | 〇(あり) |
PLA以外のフィラメント使用 | 〇 |
まずはメリットから。
メリット
- 便利機能も含め、必要な機能はすべて搭載されている
- 現実的に必要十分なサイズの印刷が可能
これも3Dプリンタの特徴と言えますが、驚くのは一番購入しやすくこなれており機能が十分に充実しているレベルの3Dプリンタでもわずか3万円前後で購入できるということ。金属加工を行うCNCフライス盤だと、ある程度実用に耐えうるものを手に入れようとすれば最低でもそれは二桁万円は必要ですから、先にも書いた通り「機械工作そのものが初めて」という方でも手が出しやすいと思います。
おもちゃ感満載の格安3Dプリンタと異なり、アルミ合金(恐らく6000番台)で構成されたベース部とフレームは所有欲さえ満たせるカッコいいものが購入できるのがこのレンジです。
もちろんじっくり見ると、印刷物の精度を保つうえで重要なスライド部はリニアガイドが使われているわけでもなく単なるレール&ローラーですし、駆動ねじもボールねじではなく単なる台形ねじ。バックラッシュを取り除く機構もなく単純にベルトのテンションだけで支えられています。
それでも「それなりの精度」「実用品を作るうえでは問題のない精度」がでるのが3Dプリンタの面白いところ。
そして私が考える便利機能がほぼすべて搭載されているのもこの価格帯の3Dプリンタの良いところ。つまり初心者でも安心して使えるというわけ。
サイズも十分、20cm四方の巨大な印刷が可能です。このサイズになると印刷時間も非常に長くなる(24時間を超える)ので、現実的にはこれ以上のサイズは不要といってよいでしょう。
デメリット
- 製品に個性がなく、門型とデルタ型しか選べない
- デュアルヘッドやエンクロージャー付きといったワンランク上の装備がない
自作野郎的には「初めての3Dプリンタ」であればこれ一択、というくらいお勧めのレンジの「標準3Dプリンタ」なのですが、わずかなデメリットもあります。
ズバリ、製品に個性がありません。
一応このレンジでは
- 門型
- デルタ型
を選択できます。
ただ、機能的に見てもデルタ型は「動きが面白い」以外のメリットはありません。従ってこのレンジ、3万円台で3Dプリンタを選択するとほぼ門型の3Dプリンタを選ぶことになります。
門型の3Dプリンタも確かに数種類あるのですがこの価格レンジは激戦区、価格競争の慣れの果てかヘッドや駆動部といったパーツはどの製品もほとんど同じ・・・。つまりは、どれを買ってもほとんど差はないってことになります。これはメリットかもしれませんね。
そしてワンランク上の装備がありません。
例えばヘッドが2個あれば色違い・特性の違うフィラメントを使えますし、エンクロージャー(覆い)がついている箱型の3DプリンタであればABSの印刷も難易度が下がります。しかしこの価格レンジの製品にはそういった装備はありません。これらの装備は後付けができませんから、あとからそれらの装備が欲しくなっても3Dプリンタごと「高級3Dプリンタ」に買い換えることになってしまいます。
とはいえ、ほとんどの方にはそれらの装備は不要であり、その意味でもこのレンジの3Dプリンタはとってもお勧めです。もちろん、私もこのレンジの3Dプリンタを使用しています。
お勧め?の製品
最も一般的な門型の製品。私の愛機。
ET4の後発ライバル機。Y軸のベルトテンショナが進化?してたり、ローラーガイドの取り付けプレートも頑丈そう。比較的ネットでのユーザーも多く、評判もよろしいようです。
デルタ型の3Dプリンタもご紹介。動きは興味深いのですが・・・マニア向け?
高級3Dプリンタ(5万円以上)
そして、3Dプリンタに5万円以上突っ込むぞ!と覚悟してしまえば、いきなりその選択範囲は広がります。
このレンジの3Dプリンタは「標準3Dプリンタ」が持っているすべての機能を備えつつ、プラスアルファの個性的な機能・装備を持っているからです。
ということはそれなりに尖った3Dプリンタですので、選択を誤ると悲しいことに・・・。標準プリンタと異なり選択が難しいこともこのレンジの特徴と言えます。
機能・装備としては標準プリンタに準拠しますので、この項では特徴的な3Dプリンタをいくつか、ご紹介しましょう。
300 × 300 × 400のビッグサイズ印刷が可能なZ.L.F.J.P 3D CR-10 V2
この3Dプリンタの特徴はなんといってもその巨大な印刷可能範囲。なんと30cm四方、高さは40cmという大型の立体印刷が可能です。
とはいえ印刷サイズは印刷時間に直結します、最大サイズで印刷したら何日レベルで時間がかかるでしょう・・・。
さすがにこのサイズとなると構造体のゆがみの影響が出るのか、形状こそ一般的な門型ですがトラス構造の支柱があり、かなり剛性は高そう。本体サイズも45.0cm × 59.0cm × 61.0cmとかなりの巨体、置く場所と使う理由があるならぜひ、ご検討を。
エンクロージャーによる温度管理が容易なAnet A3-S LCD
3Dプリンタの本体を丸ごと箱(エンクロージャー)で囲うことで、印刷時の温度管理を容易に行えるのがこのタイプ。
PLAを印刷するときはそれほど問題にはならないのですが、フィラメントにABSを選択した場合に印刷物のベッドからの剥がれや水平方向への割れが発生することがよくあります。これはABSが冷えるときに収縮する特性があるため、印刷中の温度の高い個所と印刷が完了した冷えた個所の収縮の差により発生する現象です。
エンクロージャーで3Dプリンタ全体を覆うことでこの温度差を最小限に抑えることでABSのプリントを容易にしてくれます。また、防音にももちろん効果があります。
箱に覆われているため、印刷範囲は少し小さめのものが多いです。
デュアルヘッドによる異種フィラメントの利用が可能なFLASHFORGE Creator Pro
フィラメントを吐き出すヘッドを2つ持つことで、1回のプリントで複数のフィラメントを使用することができます。
色を変えて多色印刷ができるのはもちろん、サポート(空中に浮いた形状を印刷する際に印刷物が落ちたり形が崩れるのを防ぐ支柱)には取り除きやすい素材のフィラメントを使用し、印刷物本体には通常のPLA等のフィラメントを使用するなどの使い方をします。
これ以外にも様々な機種がありますが上をみれば数十万円クラスの3Dプリンタもあり、個人購入としては敷居が高いので本サイトでの説明は割愛します。
あなたに最適の3Dプリンタとは
ここ10年くらいで個人向けの工作機械がずいぶん身近になりました。
値段も種類も多く、目移りしてしまいますね。我々の懐も無限ではありませんので、どうしても小さくて軽くて安いマシンに手が伸びてしまいますが、先にも書いた通り機械の得手・不得手に合わない加工を使用とするとそれは不幸の始まり、せっかくの3Dプリンタが楽しくなくなってしまいます。
ご質問・ご意見・クレーム(?)等ありましたら、ぜひみんなの掲示板!からお気軽にお声掛けください。
それではまた!
補足といいますか蛇足
今まで紹介したように、かなり値段のこなれた3DプリンタがAmazon等で気軽に購入できるようになりました。
それに伴いユーザーも増え、多くの方が個人サイト(この自作野郎ぜもそうですね)やYoutubeで使用レポートを紹介されています。それらはとても参考になるのですが、自作野郎としてひとつだけ感じることがあります。
それは
3Dプリンタは改造しないほうがいい
ということです。
ちょっとした部品追加、例えば私も実施しているZ軸ハンドルの追加
などは否定しません。購入した3Dプリンタそのもので作ったパーツでグレードアップする、これも楽しみの一つだからです。
でも基盤の入れ替え、ヘッドをアフターマーケットパーツに交換、などの主要パーツを入れ替えるような改造は私はお勧めしません。
なぜなら3Dプリンタがそもそも安価な商品だからです。
改造すればするほど当然手間も費用もかさみます。その結果得られるものはせいぜい静粛性だったり、上位機種を買えば容易に手に入るものだったり。
3Dプリンタ本体そのものが興味の対象であるなら話は別ですが、、、その意味で、最初の一台目の3Dプリンタはじっくり本ページを読んでいただいて、慎重に決定されることをお勧めいたします。
蛇足でした。
私が使用している3Dプリンタはこちらです
私が使用している3Dプリンタはこれ、LABISTS 3DプリンターET4。
詳細は詳しく説明いたしますが、ポイントは以下の通り。
- 圧倒的な低価格:2万円台で購入可能(結構変動します、今は¥26,800
ですね。こまめにチェックを)
- 私が考える必要な機能:自動レベリング、フィラメント切れ検出機能、停電印刷継続機能、ヒードベッドが全てついている
- 家庭用としては最大級の加工範囲:220 x 220 x 250mm
これより安い1万円台の3Dプリンタもありますが、自動レベリングやフィラメント切れ検出機などの必須機能がないはずです。また印刷範囲も小さくてそれこそおもちゃしか作れません。
はじめは1万円のでいいかな、と思うかもしれませんがこのサイトをご覧になるような方であれば、このクラス(3万円未満)を選択して間違いはない、と私は断言しちゃいます!
とにかく、思いついた立体がパソコンとLABISTS 3DプリンターET4が手元にあるだけで、面倒な段取りもいらず油まみれにもならず切り粉もでず、クリーンに制作できるのは本当に楽しい!