激安に驚け!Amazonで買える中華ボールねじの実力を検証
フライス盤の精度を飛躍的に向上させるパーツといえば、リニアガイドとボールねじ。
リニアガイドはアリ溝の代わりになるもので、これをフライス盤に組み込むことはなかなか困難です。ベースから作り直したほうが良いかもしれないくらいの難易度。
それに対しボールねじは、市販のフライス盤に初めからついている台形ねじと交換するだけですから、それなりに自作に慣れている方であればそのインストールは比較的容易です。わたしのX-1にもすでに搬送用の転造ボールねじ(おそらく精度はC10程度)を組み込んであります。
ボールねじ化の効果
ボールねじ化の効果は素晴らしく、
- バックラッシュの低減(アマチュア利用であればほぼゼロと考えてよいレベル)
- 推進力アップによる脱調の回避
- 送り速度アップによる高速化
が実現できます。本当にすごい効果です。が、世の中そううまくはいかないもので。
ボールねじは高い
そう、ボールねじは極めて高価なんです。
ボールねじの精度はCなになに、という数値で表されます。この数値はJIS B 1192で規定されています。全部で6等級(C0、C1、C3、C5、C7、C10)に区分されており、
- C0、C1、C3、C5の4等級を精密ボールねじ
- C7、C10の2等級を一般ボールねじ
と規定しています。もちろん等級が高い(=数字が小さい)と値段も併せて上がります、C3クラスで国産メーカーのボールねじを探すと最低でも5万円。安いフライス盤なら買えてしまいますね。C7クラスでも1本1万5千円が相場、というところ。中古を探そうにも、ヤフオクなどに数こそ多く出ているもののサイズやリードなど、ちょうどよい出物に出会うことは稀です。太すぎたりリードが強すぎたり・・・
Amazonで買える激安中華ボールねじ
ところが。
おそらく3Dプリンタのブームに乗って、だと思われますが激安の中国製ボールねじがAmazonで購入できるようになりました。たとえばコレ。
CNC SFU1204 ボールねじとボールスクリュー ナット500mm
聞いて驚いてください、なんと価格は「2,308円」です!にまんえん,.、じゃあありませんにせんさんびゃくえんです。もう笑うしかない。
一応等級はC7とのこと。リードは4mm、ねじ径は12.0mm。ちょうどX-1クラスには使いやすいサイズです。欲を言えばもうワンランク上のものが欲しかったのですが(製品としてはC3まで存在しているそうです、Amazonでは流通なし)この価格では贅沢は言えません。
とはいえ工具の価格と品質は比例するのが世の常。どこまで期待できるのか?
これは、買って試してみるしかないですね!
この章では、中国製ボールねじの実力を実際に購入して試してご紹介いたします。