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もう少しだけ高度な図面を書きましょう

無事「Tナット」の図面を書くことができました。

 

基本的な使い方はマスターできましたでしょうか。CADに興味がある方は、ぜひ、読むだけではなく実際に鍋CADを触ってみて「Tナット」の図面を引いてみてくださいね。

 

では、もう少しだけ、高度(というほどでもないけれど)な図面を引いてみましょう。

 

お題はコレ、

 

 

で作成したバックステップのチェンジペダルです。

 

 

いわゆる一般的な「板パーツ」ですので、この図面を書くことができれば、一応「実用レベル」(プロの方の実用、ではなくアマチュアCNC愛好家のレベルにおいて、という意味です)でCADを活用することができます。

 

・・・なんて、言い切っちゃっていいのだろーか?突っ込みは掲示板まで!

 

このステップの寸法的制約は

 

  • ステップ軸径が23mm
  • ステップ軸-つま先のバーまでの距離が140mm
  • ステップ軸-シフトロッドピポットまでの距離が40mm
  • つま先のバー-ステップ軸-シフトロッドピポットの角度は90度
  • つま先のバーは6mmのボルト&ナットで締結
  • シフトロッドは6mmのボルト&ナットで締結

 

と言ったところです。

実用部品の図面を引く前に意識すべきこと

実用部品の図面を引く前に、いくつか意識しておくべきことがあります。

 

太さ何mmのエンドミルを使用するか、を意識して図面を引く必要がある

 

実用的な部品は、ほとんどの角をR取り、つまり丸めます。凸状の丸めはどんなサイズでもよいのですが、凹状の丸めは最小でもエンドミルの径より大きくないといけません。

 

例えば6mmのエンドミルを使用する場合、凹状のR取りは最小でも直径6.2mm程度にします。

 

そして、使用するエンドミルの径は部品の材質と厚みに依存します。筆者の場合、2017の10mm板材を多用しますがほとんどの場合6mmのスクエアエンドミルを使用しています。

 

自分のCNCフライスの最大加工範囲、を意識して図面を引く必要がある

 

自分のフライスの最大加工範囲を知っていますか?テーブルサイズではありません。

 

板材加工は「くりぬき加工」をすると効率が良いのです。「くりぬき加工」とは筆者が勝手に付けた名前ですが、

 

板状の部材を使用し、加工後に板の四辺が残るように加工する

 

方法を指しています。具体的にはこんな感じです。

 

 

板の中央に部品(チェンジペダルが2つ)くりぬかれており、かつ細いタブ(プラモデルのランナーのようなもの)で保持されています。

 

この「板のサイズ」が、CNCの最大加工範囲であり、エンドミルの切り込みがこの板のフチを切り落としてはいけないのです。

 

何でこんなことをしているのでしょう?

 

実際にCNCフライスを使用してみるとわかるのですが、こういった「タブ処理」など、部品の保持を工夫しないと

 

  • 加工が終わったときに部品が落ちる

 

のです。そして、多くの場合、落ちるときにエンドミルを巻き込み、エンドミルをへし折ったり部品に深い傷を入れます(経験者は語る・・・)。防止策はいくつかあり、

 

  • ボルト穴を先に開けておきそのボルト穴を使って部品を支える
  • 捨て板を使用して両面テープ等で部材を貼り付け捨て板ごと削る

 

などの方法がありますが、筆者の経験では「くりぬき加工」、つまり

 

  • CNCフライス盤の最大加工範囲サイズより小さい板材を使用し
  • 板材の四隅にボルト穴をあけ、下駄を履かせて板を浮かせて配置
  • 板のフチを切りぬかないように部品を配置する

 


(四隅のボルトと、その下にあるブロック状の下駄がお分かりになりますでしょうか)

 

が、最も効率がよいと考えています。

 

CAMの性能を理解している必要がある

 

さあ、だんだんワケワカランになってまいりました!具体的には、

 

  • DXFのレイヤーをCAMが意識できるか
  • 1レイヤーに対し複数の切削パターンでの加工ができるか

 

です。そんなこと言われてもCADやってる最中にCAMの話されてもな、って思いますよね。私は思います。なので、ここではCAMは筆者お勧めの「Cat2D」を使用することに決めてしまって、

 

  • DXFのレイヤーをCAMが意識できるか ・・・ できない(!)
  • 1レイヤーに対し複数の切削パターンでの加工ができるか ・・・ できる

 

という前提で、進めましょう。ちなみに、USBCNCをCAMとして使う場合は「できる・できない」が逆になります。

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