1/72 ヤークトパンター(Jagdpanther) フルインテリアキット [3Dプリンタ出力 プラモデル]の作り方
本ページは、自作野郎工房の開発した3Dプリンタキット「1/72 ヤークトパンター(Jagdpanther) フルインテリアキット [3Dプリンタ出力 プラモデル]」について概要をまとめたものです。
3Dプリンタキットは市販のプラスチックモデルと異なり、取り扱いに特徴があります。また、本キットを完成させるために必要なポイントについて解説致します。結論から申し上げますと、3Dプリンタキットの経験がない方もこのページを参照して頂ければ問題なく本キットを完成させることができます。
ぜひ、チャレンジしてみてください。
販売サイト
ヤフーオークション
Amamzon
eBay
製品概要
- 1/72スケールのWW2ドイツ軍戦闘車両 ヤークトパンターのフルインテリアキットです。
- 「
ドラゴン 1/72 第二次世界大戦 ドイツ軍 ヤークトパンター 駆逐戦車 初期型 w/ツィメリットコーティング プラモデル DR7241P
」または「」のキットに対応しています。 - エンジンルーム、トランスミッション、砲弾ラック、各種メータパネル、無線機に加え主砲である「アハトアハト」88mm砲までリアルに再現されています。
- パーツは主砲と車体、砲弾ラック、小物類に分割されています。
- パーツ数が少なく、かつディテールが詳細なため塗装難易度は高めです。ただし、慎重かつ丁寧なマスキングと墨入れで引き立つキットです。この精密さをぜひ体感してみてください。
特徴
- 3Dプリンタ初心者の方のために、練習用として主砲等破損しやすいパーツを計2セット同梱しています(練習用の主砲パーツはサポートが割れている等のB級品を使用させて頂いております)。
- 組み立ては容易ですが、底面には3Dプリンタ特有のサポートが多数あるため丁寧な作業が必要です。また、レジンは一般のプラモデルの素材と比較し欠けやすいため、サポートの除去は薄刃ニッパー等で丁寧な除去が必要となります。余分に練習用の主砲パーツを同梱致しますので、トライしてみてください。
- モノクロ4Kの高解像度3Dプリンタに、有名メーカーの水洗いレジンを使用して出力しています。
- 丁寧に専用機材を使用しきちんと2次硬化を行っています。3Dプリンタ製品にありがちなべたつき等はありません。
注意事項
- このキットに含まれるのはインテリアを構成するパーツです。
- 本キットには「ドラゴン社またはレベル社 1/72 sd.kfz.172 ヤークトパンター」は含まれていません。別途購入の必要があります。
- 本キットは3Dプリンタキットであるため、3Dプリンタによる出力で避けられない細かな段差・ゆがみがある程度発生します。その状態は商品写真でご確認ください。
- 塗装されているものは作例です。この作例は本キットを塗装し、かつ「ドラゴン社 1/72 sd.kfz.172 ヤークトパンター」の車体パーツと組み合わせたものです。本キットを「ドラゴン社またはレベル社 1/72 sd.kfz.172 ヤークトパンター」に組み込む際は、一部「ドラゴン社またはレベル社 1/72 sd.kfz.172 ヤークトパンター」のパーツの加工が必要です。簡単な手順を本ページで紹介しております。
- 本キットを「ドラゴン社またはレベル社 1/72 sd.kfz.172 ヤークトパンター」に組み込み、かつ車体上部のパーツをかぶせる場合には加工が必要です。
ポイント1 3Dプリンタキットについて
3Dプリンタキットは市販のプラスチックモデルと異なる素材・製法で作成されています。違いについて以下表にまとめます。
市販のプラスチックモデル | 3Dプリンタキット | |
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製造方法 | 金型を使用した射出成型 | 光造形3Dプリンタによる成型 |
素材 | プラスチック | 紫外線で硬化する液体レジン |
素材の特徴 |
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その他特徴 |
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総じていうと、3Dプリンタキットは一般的なプラスチックモデルと比較して多少異なる取り扱いが必要となります。初めて3Dプリンタキットに挑戦される方は本ページを熟読してからチャレンジしてみてください。
とはいえ、注意事項は基本的なものばかりで丁寧に作業すればそれほど難易度が高いものではありません。また自作野郎工房の3Dプリンタキット「1/72 ヤークトパンター フルインテリアキット(3Dプリンタ)」には練習用パーツも付属していますので、ぜひ手に取ってみて新しい世界を覗いてみてください。
ポイント2 パーツの切り出し
3Dプリンタキットはその製造方式上、サポートと呼ばれる柱のようなパーツがたくさん付属しています。このサポートでパーツを支えながら、液体レジンに紫外線を照射しパーツを作成しています。
パーツのゆがみや破損を防ぐため、3Dプリンタキットには多くのサポートが必要です。また細かいパーツの破損を防ぐためにガードが用意されています。
以下の画像の青丸部分がサポート、赤丸部分がガードとなります。
これらのサポートとガードを除去し、パーツを切り出すことが3Dプリンタキットの最初の一歩となります。
先に書いた通り、3Dプリンタキットの素材である液体レジンはプラスチックに比べると硬く脆いため、乱暴にこれを切り離すとパーツを破損させる可能性があります。以下手順に従い、慎重にサポートとガードを除去しパーツを切り出してください。
必要なもの
3Dプリンタキットのパーツの切り出しには、薄刃ニッパーが最適です。
タミヤ クラフトツールシリーズ No.123 先細薄刃ニッパー (ゲートカット用) 74123
実際の切り出し方法
1)パーツから遠いところのサポートを切り離す
パーツからできるだけ離れたところのから、サポートを薄刃ニッパーで切り離していきます。サポートは強度を出すために隣接するサポートと結合しているので、結合個所も含めて切断していきます。あわてず少しずつ作業します。
2)パーツの近くを慎重に切断する
次に、パーツに近くを薄刃ニッパーで慎重に切断します。この際、サポートをこじるとパーツが破損する可能性があります。
3)サポートを取り外す
最後に切断が完了したサポートを取り外します。この作業を繰り返して全てのサポートを除去します。わずかにパーツにゲート部が残りますから、これは市販のプラスチックモデルと同じように紙やすりなどで仕上げます。
ガードに関しても同じように除去してください。
パーツ破損の可能性のあるポイント
本キットではできる限りパーツ破損の可能性のない個所にサポートを付けていますが、やはり注意が必要な箇所がいくつかあります。その個所を示します。
- 車体後部左右の突端
- 車体後部中央のリブ
- 主砲の照準手座席・照準器付近
- 主砲の後部付近
このあたりは特に破損の可能性がありますので、慎重に作業をお願いいたします。また、本キットでは主砲の破損を想定して練習用・本番用含め2つ主砲パーツを同梱していますのでご活用ください。
主砲パーツのサポート切り離しについて
本キットは精密なディテールを追求しており、特に主砲の照準手座席周り、照準器はかなり細かい構成となっています。サポートの除去の際に必要な箇所を誤って除去しないよう、サポート構成の画像を添付いたします。以下画像参照しながら、切断個所を見極めてください。
落下に注意!
素材には国産の最高級レベルの水洗いレジンを使用していますが、残念ながらそれでも素材の固さ・脆さは否めません。くれぐれもパーツの落下にはお気を付けください。
机の高さから床に落としただけで破損してしまいます。万が一破損された際は、送料+実費にてパーツをお送りいたしますのでお問い合わせください。(このサービスは日本国内のみに対応します)
ポイント3.1 ドラゴン社のキットと組み合わせる場合
本3Dプリンタキット「1/72 ヤークトパンター(Jagdpanther) フルインテリアキット [3Dプリンタ出力 プラモデル]」は、車体と主砲のインテリアパーツのみを同梱しています。
車体や転輪、履帯は含まれておらず、ドラゴン社またはレベル社の1/72 ヤークトパンターのキットを別途購入・使用する必要があります。また、一部パーツには加工が必要となりますので、その方法等を解説します。
適合するドラゴン社キット
例として、以下のキットは本3Dプリンタキット「1/72 ヤークトパンター フルインテリアキット(3Dプリンタ)ドラゴン用(3Dプリンタキット初心者向け 練習用主砲パーツ付き)」と組み合わせることができます。
ドラゴン 1/72 第二次世界大戦 ドイツ軍 ヤークトパンター 駆逐戦車 初期型 w/ツィメリットコーティング プラモデル DR7241P
ドラゴン社のキットは精密なつくりでお勧めできます。ただし履帯はDSトラックと呼ばれる軟質樹脂でできており好みが分かれます。組み立ては容易ですが接着しにくい素材である多ゆえに履帯の垂れさがり表現が難しいこと(作例では黒い糸で引っ張っています)、塗装が乗りにくいためそのまま塗装するとポロポロと塗料が剥離してしまいます。
この問題は以下のようなプライマーを使用することで解決できます。
タミヤ メイクアップ材 ナイロン/PP用プライマー 87152
DSトラックにこのプライマーを塗布してから塗装することで、かなりの塗装剥がれを防止することができました。もしドラゴン社のキットを組み合わせる場合は、上記ご参考にして頂ければ幸いです。
ドラゴン社キットを使用する場合の加工個所
ドラゴン社のキットを使用する場合は、車体パーツの加工が必要です。
- 車体内部に突き出している部分をすべて削り落とします。
- フェンダー部分を切り落とします。その際、フェンダー下部に沿って水平に切り落とします。素材のプラスチックが薄く柔らかいのでデザインナイフで筋を数回入れることで容易に切り離せます。
- 車体後部パネルの工具箱の内側に開いている穴をエポキシパテ等で埋めます。
- 車体後部パネルを、フェンダーを切り落とした車体パーツに接着します。
加工が完了した状態を画像で示します。
この加工を行うことで、本キットの車体インテリアパーツを滑り込ませることができます。万が一合わせがきつい場合は、車体インテリアパーツの左右を棒ヤスリ等で削って調整してください。
ポイント3.2 レベル社のキットと組み合わせる場合
レベル社の1/72 ヤークトパンターのキットを使用する場合は以下を参考にしてください。
適合するレベル社キット
例として、以下のキットは本3Dプリンタキット「1/72 ヤークトパンター フルインテリアキット(3Dプリンタ)レベル用(3Dプリンタキット初心者向け 練習用主砲パーツ付き)」と組み合わせることができます。
ドイツレベル 1/72 ドイツ軍 Sd.Kfz.173 ヤークトパンター プラモデル 03327
レベル社のキットもドラゴン社に負けず精密なつくりでお勧めできます。これを1/72ヤークトパンターのベストキットと評する方も多いです。履帯はプラスチックパーツで構成されており、組み立てはやや面倒なものの履帯の垂れさがり表現も比較的容易です。もちろん塗装にも問題はありません。
レベル社キットを使用する場合の加工個所
レベル社のキットを使用する場合は、車体パーツの切断加工等は不要です。
- キットに含まれている車体パーツは使用せず、車体側面パーツおよび車体後部パネルのみ使用します。
- 車体パーツを芯にして、車体側面パーツと車体後部パネルのみを接着剤で接着します。この際、車体後部パネルの角度に注意してください。
- 車体パーツを取り外し、車体側面パーツと車体後部パネルのみを使用します。
作業が完了した状態を画像で示します。画面右側のパーツのみを使用します。
この作業を行うことで、本キットの車体インテリアパーツを挟み込むことができます。恐縮ながら裏面が少々寂しいことになりますが、構成上ご容赦頂きたく存じます。
ポイント4 主砲と車体の接合について
本来、ヤークトパンターの主砲は全面装甲板に装着されており、ストリップの状態で砲を維持することができません。
そのため、本キットではトランスミッション後部の上に主砲固定用のステーを用意しています。
この主砲ステーが、主砲基部の先端にぴったり位置するように主砲を配置してください。そうすると、ちょうど主砲基部の後端が車体中央の梁に接地し、3点で主砲を支持できます。
なお主砲は車体センターに存在しておらず、進行方向をみて右手にわずかにオフセットされていますので取り付けの際はご注意ください。
ポイント5 塗装と組立てについて
本3Dプリンタキット「1/72 ヤークトパンター(Jagdpanther) フルインテリアキット [3Dプリンタ出力 プラモデル]」の塗装について解説します。
本キットは構成上、車体パーツと主砲パーツの2パーツという少数の部品で構成されています。そのため塗装の難易度が少々高めとなっていますが、丁寧なマスキングで対応することができます。
工程1)パーツを洗浄する
本キットは出荷前に洗浄を済ませておりますが、念のため中性洗剤等を使用して表面の油等を取り除いてください。
工程2)オキサイドレッドのサフェーサで下塗りを行う
先に記述した通り、3Dプリンタキットはサフェーサによる下塗りが必須です。この時、大戦末期のドイツ軍で多用されたオキサイドレットのサフェーサーを使用することで、下塗りと基本塗装を同時に済ませることができます。
オキサイドレットのサフェーサーは複数のメーカーから販売されています。
GSIクレオス Mr.オキサイドレッドサーフェイサー 1000 スプレー 170ml ホビー用仕上材 B525
例えばクレオスからも仕上げ用としてオキサイドレッドサフェーサが発売されています。この粒子密度ならば下塗りとしても申し分なく、また3Dプリンタ特有の積層痕(本キットは4Kモノクロの高性能3Dプリンタを使用していますので少ないほうですが)も目立たなくする効果があります。
これを、キット全体に塗布します。
塗装指示図
組立指示図
最後に
以上で自作野郎工房の開発した3Dプリンタキット「1/72 ヤークトパンター(Jagdpanther) フルインテリアキット [3Dプリンタ出力 プラモデル]」について概要の説明を終わります。
引き続き、1/72のドイツ戦車を中心にフルインテリアキットを開発してまいります。
ぜひ、市販のプラスチックモデルにはないディープな世界をお手に取ってご確認ください。
販売サイト
補足事項
本キットの開発にあたり、1/35の市販キットを参考にさせて頂きました(3Dスキャン等の行為は行っておりません。構成と形状の把握のみを行いました)。
なお、参考にした市販キットの製造メーカーには本キットの詳細な情報を提示し、販売許可を得ております。
販売許可受領日時:2021/04/26 12:41