油圧プレスです。もの凄く便利、って知ってました?
あまり自宅においてるよ、という方を見かけない油圧プレス。
その理由は
- 大きくて邪魔
- 重い
- 高い
でしょうか。ところが誤解なんです。
「大きくて邪魔」と「重い」について、これについては
旋盤とフライスを自宅に入れといていまさら何言ってるの!
で論破(笑。私の狭い工作室にも押しこめる、ということでこんな汚い(失礼)画像を載せてみました。
「高い」、については安価な中華プレスが販売されています。
同一製品(門型、12t)なのに価格差があるのが怖いのですが、じっくり探せば安価に購入できます。12tと聞くとそれって大きすぎる、という感想を持たれるかもしれません。でも工作機械の基本
「大は小を兼ねる」
であり、12tでも力不足を感じることすらあるんです。
今回のお題その1。
今回のお題は、バイクのバックステップです。
なにしろバイクはタイヤが2個しかありませんから転倒は避けられません。ましてやそのバイクを使って「スポーツ」するサーキット走行であればなおのこと。
このステップは草レース最高峰の「テイスト オブ ツクバ」に参加している方の車両で、スポーツ走行中に転倒、ステップを曲げてしまったのでした。もともとこれらの(見てくれ重視でじゃなくレース用の)ちゃんとしたステップは比較的曲げに強いようで、多少の曲りであれば修正が可能です。
まずはチェンジペダル。
先端がくにゃっと曲がってしまっています。まあ、修正は容易でしょう。
今回のお題その2。
こちらは同じくチェンジ側のベースプレート。
軽量化を意識してか、かなり細く作られていますがそのために全体的に歪んでしまっています。こういう時は押し場所を入念に検討しないと平らにはなってくれません。
プレスがないとどうするか?
もうこれはお馴染み「鉄ハンマー」でバンバン叩くしかないわけです(サーキットのピットではおなじみの光景)。
そうすると傷や打痕は付きまくるは、なかなか伸びないわ、むしろ変なとこがゆがむわで大変です。まあ機能は復活するかもしれませんが。
押します。
では、修正に着手します。
とはいっても作業自体は難しいものではなくむしろ経験と慣れ(カンともいいますが)が勝負です。
平らな板、定盤があれば最高ですがフライスのベッドなどでもいいです、に歪んだパーツを置き、指でつつきながらどこを押せばどこが「戻って」どこが「返って(オツリがでるんです)」、をじっくりと検討します・・・。
イメージが湧いたら、12t門型油圧プレスにセット、大胆に押していきます。
どこまで押すかは非常に難しいのですが、幸いにも(?)中華製門型プレスは躯体がやわなため、バイクのフレームがしなるがごとく躯体がしなることで使い手に限界をインフォメーションしてくれます?
ペダルの修正完了。
はい、ペダルの修正が完了しました。
これは修正後、つま先のバーを取り付けた図です。比較的容易な修正ではありましたが、ここまできっちりと水平・垂直が戻ると気持ちいものです。
繰り返しますが鉄ハンマーではこうはいきません。
プレートの修正完了・・・
こちらは修正後のプレートです。
うーん。100点満点は行きませんでした。どうしてもプレートは歪みが取りきれず、0.5mm位のガタが残ってしまいました。
でも、実用上は問題ないでしょう!
油圧プレス、便利です。
と、いうことで今回の「頼まれモノ」シリーズはちょっと軽めに「加工」ではなく「修正」をテーマにしてみました。
いかがでしょう?
なにしろ我々はアマチュア、どこまで機材をそろえるかという永遠の(笑)悩みがあるわけですが油圧プレスはぜひお勧めの逸品です。
それではまた!